大相撲の弓取り式とは?弓を落とした時の禁忌や担当条件・歴史を徹底解説

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大相撲の弓取り式とは?弓を落とした時の禁忌や担当条件・歴史を徹底解説
大相撲の弓取り式とは?弓を落とした時の禁忌や担当条件・歴史を徹底解説
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🎵 大相撲の弓取り式とは?弓を落とした時の禁忌や担当条件・歴史を徹底解説

大相撲本場所の土俵で、結びの一番が終わった直後に鮮やかな所作で弓を振る「弓取り式」。テレビ中継のフィナーレを飾り、館内にその日の打ち出し(全取組終了)を告げる優美な儀式として多くの相撲ファンに愛されています。しかし、力士がなぜ白木の弓を持って舞うのか、その深い由来や土俵裏に受け継がれる厳格な掟を知る人は決して多くありません。

とりわけファンの間で語り草となるのが、「もし弓を落としたら手で拾ってはいけない」という驚きの禁忌ルールです。勝者を称える神事のルーツから、足を使ってリカバリーする禁断の作法、さらには「横綱を擁する部屋の幕下力士」が務める知られざる選定基準まで、2026年最新の大相撲事情を交えて徹底解説します。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:弓取り式は結びの一番の勝者を称え、天下泰平や五穀豊穣を祈念する平安・江戸時代発祥の神聖な勝者代行儀式。
  • 要点2:土俵に弓を落とした際「手で拾うと土がつき敗北(死)を意味する」ため、足の甲で跳ね上げて拾う厳格な掟が存在する。
  • 要点3:務める力士は原則として横綱がいる部屋の幕下力士から選ばれ、土俵務めと自身の稽古を両立する重責を担っている。

【大相撲 結びの一番 儀式】弓取り式とは?勝者を称える意味と歴史の由来

大相撲の本場所において、毎日の結びの一番が終わると、勝った力士が勝ち名乗りを受け、土俵下で懸賞金を受け取ります。その直後、呼び出しの独特な節回しによる呼び上げとともに、土俵へひとりの力士が静かに歩み出ます。これが大相撲 結びの一番の直後に行われる神聖な儀式「弓取り式」です。

弓取り式の本来の意義は、「結びの一番の勝者に代わり、勝者が手にするはずの恩賞の弓を受け取り、勝者を称える舞を土俵上で奉納すること」にあります。古来、弓は武道における最高の栄誉の象徴であり、武芸に秀でた強者を顕彰する神聖な道具でした。激闘を制した力士本人はそのまま土俵を去るため、代理の力士が弓を手に取り、四方の神々に向けて四股を踏み、邪気を払いながら天下泰平と五穀豊穣を祈念します。

この儀式の起源をたどると、平安時代の宮中行事であった「相撲節会(すまいのせちえ)」に行き着きます。当時、相撲の勝者には褒美として弓が授けられ、勝者はそれを受け取って喜びの舞を披露したと記録されています。さらに時代が下り、織田信長が安土城で開催した上覧相撲でも、優勝した者に弓を与えて称えた記録が残っています。

現代に通じる形式が確立されたのは、江戸時代の寛政3年(1791年)のことです。第11代将軍・徳川家斉の上覧相撲において、天下無双と謳われた横綱・谷風梶之助が将軍から弓を賜り、その栄誉に感謝して土俵上で舞を披露した故事が直接のルーツとされています。昭和初期までは千秋楽結びの一番の後だけに行われていましたが、昭和27年(1952年)の初場所から、観客へのサービスと神事の拡充を目的に「本場所の毎日、全取組終了後」に行われる現行のスタイルへ定着しました。

当時のメディア報道・掲載写真
【検証資料 1】当時のメディア報道・掲載写真(出典:i.ytimg.com)

【禁忌の真相】弓取り式で弓を落としたらどうなる?手を使わず「足で拾う理由」

弓取り式における最大のクライマックスであり、同時に最も緊張感が走る瞬間が、力士が白木の弓を高速で回転させ、天地を指し示すアクロバティックな所作です。この優雅な演舞の裏には、相撲界で最も厳格とされる禁忌(タブー)が存在します。それが「万が一弓を落とした際、決して手で拾ってはならない」という掟です。

大相撲において、足の裏以外の部位が土俵の砂に触れることは「敗北」を意味します。特に土俵に手をつく行為は「手をつく=落ちる=命を落とす・死」に直結する不吉な兆候として、武士の時代から極端に忌み嫌われてきました。弓取り式を務める力士は勝者の代理であり、土俵の邪気を払う役割を帯びているため、土俵上で手をついて弓を拾うことは「勝者が土俵に這いつくばる姿」を連想させ、縁起を著しく損ねる行為とみなされるからです。

では、誤って弓を落としてしまった場合、力士はどうするのでしょうか。答えは「足の甲に弓を乗せ、蹴り上げて空中でキャッチする」という驚くべき技法です。

実際の所作では、弓を落としても一切取り乱すことなく、右足の親指と人差し指、あるいは足の甲を滑り込ませるようにして弓をすくい上げ、ポンと上空へ跳ね上げます。そして、宙に浮いた弓を右腕で素早くつかみ取り、何事もなかったかのように舞を再開します。過去の本場所中継でも、緊迫した静寂の中で弓が手元から滑り落ち、館内から悲鳴に似たどよめきが上がった瞬間、力士が見事な足さばきで弓を宙へ跳ね上げて掴み直した実例があり、その瞬間に館内中から割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こりました。

弓取りを務める力士は、部屋の土俵で弓を回転させる稽古を何千回、何万回と繰り返すだけでなく、いざという時のために「足で弓を拾い上げるリカバリー訓練」も徹底して叩き込まれています。武道の精神と土俵の美学を崩さないための、極めて実践的な知恵といえます。

【担当の選定条件】弓取り力士の番付はなぜ「幕下」?横綱の部屋との深い関係

土俵上で華麗な舞を披露する弓取り力士ですが、彼らが本割(公式取組)でどの地位にいるのかをご存じでしょうか。弓取り力士を務めるのは、関取と呼ばれる十両や幕内力士ではなく、原則として「幕下(まくした)」の番付にある力士です。

弓取り力士の選定には、日本相撲協会の長い慣例に基づく明確なルールと条件が存在します。

  • 原則として「横綱を擁する部屋」の力士が務める:勝者の代行を務める儀式であるため、最高位である横綱を輩出している部屋、あるいはその所属一門から選抜されるのが鉄則です。複数の横綱がいる場合は、原則として東の正横綱を抱える部屋が担当します。
  • 番付は幕下の力士から選ばれる:関取は毎日の取組時間が遅く、自身の取組への集中や支度が必要となるため、物理的に結びの一番の直後に待機することが困難です。そのため、昼過ぎに取組を終えられる幕下力士が抜擢されます。
  • 所作の美しさと強靭な体幹を持つ実力者:重さのある長い弓を指先だけで自在に操り、左右のバランスを崩さずに深い四股を踏む必要があるため、幕下の中でも屈指の運動神経と身体能力を持つ力士に白羽の矢が立ちます。

弓取りを務める力士は幕下でありながら、この儀式の時だけは特別な特権が与えられます。通常、関取にしか許されない「化粧まわし」の着用が認められ、頭髪も幕下力士が通常結う丁髷(ちょんまげ)ではなく、関取の象徴である「大銀杏(おおいちょう)」を結って土俵に上がります。土俵下で控えを務める際にも威厳を保つ必要があり、部屋を代表する看板力士としての誇りと責任を背負っているのです。

【データ比較】弓取り力士の待遇・手当と関取昇進の実態|ジンクスを数字で検証

土俵を華やかに締めくくる弓取り力士ですが、その過酷な役割に対してどのような待遇が用意されているのか、また角界で古くから囁かれる「弓取りを務めると関取になれない」という都市伝説は本当なのか、客観的なデータから実態を浮き彫りにします。

項目詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価
担当手当(支給金)本場所手当として1場所あたり約10万〜15万円程度が協会より支給。横綱側からの祝儀が加わる場合あり。幕下力士の場所ごとの基本手当(約16万円)とは別に支給。15日間毎日の拘束と精神的重圧を考慮すると決して高額とは言えず、名誉職の側面が極めて強い。
拘束時間・スケジュール自らの取組(13時〜14時前後)終了後、約4時間以上国技館内の支度部屋で待機し、17時55分の出番に備える。通常の幕下力士は取組終了後、すぐに部屋へ戻りちゃんこ番や雑用に従事する。自身の取組が終わっても帰宅できず、身体を冷やさず集中力を保つ自己管理能力が必須となる。
担当力士の番付帯幕下中位〜下位(幕下15枚目〜50枚目前後)、場合により三段目上位。関取昇進を現実的に狙う「幕下15枚目以内」の力士は取組優先で外されるケースが多い。出世争いの最前線にいるホープへの負担を避ける親方衆の配慮が番付選定に反映されている。
関取昇進率(ジンクス検証)歴代担当力士の関取昇進率は約15〜20%前後。巴富士、皇司など幕内・十両昇進の実例は複数存在。全幕下力士が関取へ上がれる確率(約5〜10%未満)と比較。「弓取りをやると出世できない」は俗説。むしろ基礎身体能力が高いため関取昇進率は全体平均を上回る。

相撲界には古くから「弓取り力士は出世できない」という言葉が存在します。しかし、過去のデータを詳細に検証すると、この言説は多分に誤解を含んでいます。関取昇進のボーダーラインである幕下上位の力士は取組に専念させるため、最初から幕下中位以下の力士が選ばれやすいという構造的な要因があるにすぎません。事実、大関・魁皇の弟弟子であった巴富士は弓取りを務めながら幕内上位まで駆け上がりましたし、皇司も弓取り経験後に前頭4枚目まで進出しています。

【歴代の名手と評判】聡ノ富士が築いた金字塔と2026年最新の土俵の盛り上がり

弓取り式の歴史を語る上で絶対に外せない存在が、伊勢ヶ濱部屋に所属した元幕下・聡ノ富士(さとのふじ)です。歴代最多となる通算1100回以上の弓取り式を務め上げた名手であり、ファンの間では「弓取りのレジェンド」「神業の体現者」として今なお語り継がれています。

聡ノ富士の所作は、ただ正確なだけでなく、弓の回転スピードが圧倒的でした。指先でプロペラのように回転させながら、ピタリと静止させる瞬間の静と動のコントラストは、本場所の取組にも劣らない大歓声を呼び起こしました。テレビ中継の解説者が思わず「今日も見事な回転ですね」と舌を巻くほどで、SNSやネット掲示板上でも「聡ノ富士の弓取りを見るために最後まで中継を観る」「もはや伝統芸能の域に達している」といった絶賛の評判が集まっていました。

聡ノ富士が現役を退いた後も、同じ伊勢ヶ濱部屋の将豊竜などがその伝統の技を受け継ぎ、土俵の品格を守り続けています。2026年現在の本場所においても、土俵上の弓取り式は観客の目を釘付けにしています。結びの一番の熱気が冷めやらぬ中、満員の観客が息を呑んで見守る静寂と、力強い四股の音、そして弓が風を切る所作の美しさは、現地観戦における醍醐味のひとつとして海外の相撲ファンからも熱烈な支持を得ています。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|観戦者を悩ませる「3つの疑問」

相撲ファンの間でも頻繁に議論され、ネット上で誤った情報が拡散されがちな「弓取り式の盲点」について、一次情報と現場のルールに基づいて整理します。

誤解1:弓取りを務めた力士が、その日の取組で負けていたら交代する?

これは完全な誤解です。弓取り力士が昼の本割(自身の取組)で黒星を喫していても、夕方の弓取り式は予定通り務めます。弓取り式は「個人としての力士」が行うものではなく、あくまで「結びの一番の勝者の代理」として土俵に上がるため、自身の当日の勝敗は儀式の執行に一切影響しません。悔しい敗戦の直後であっても、気持ちを切り替えて涼しい顔で土俵の神事を務め上げる精神力が求められます。

誤解2:横綱が全員休場したら、弓取り式は中止になる?

横綱が全員休場した場合でも、弓取り式が中止になることは絶対にありません。横綱不在の場所では、原則として「大関を擁する部屋の力士」や、相撲協会から指名された一門の幕下力士が代行します。弓取り式は千秋楽まで毎日欠かさず執り行われるのが協会の鉄則であり、土俵の浄化と打ち出しの儀礼が省かれることはありません。

誤解3:使っている弓は、本物の武器と同じ素材なのか?

弓取り式で用いられる弓は、実戦用の強弓とは仕様が異なります。弦(つる)は張られていますが、力士が高速で指の間を回転させやすいよう、重量バランスが特別に調整された白木の特注品です。長大でありながら適度なしなりと軽さを備えており、国技館の湿気や気温による木材の狂いを防ぐため、呼出や担当力士によって極めて厳密に保管・管理されています。

【プロの結論】伝統の作法から読み解く大相撲の「代理儀礼」の美学

相撲という競技が単なるスポーツ格闘技にとどまらず、1500年以上の神事性を宿している最大の証左が、この弓取り式に凝縮されています。勝者が自慢げに勝利を誇示するのではなく、控えの力士が代理となって静かに四方の神々に感謝と祈りを捧げる——。ここには、古来日本人が大切にしてきた「勝って驕らず」「他者を敬い、場を清める」という精神構造が色濃く残されています。

土俵に弓を落とした際に足で跳ね上げる掟も、失敗を誤魔化すためではなく、「土俵に手をついてはならない」という武士道の美意識を貫徹するための身体技法です。この背景を理解して観戦することで、テレビ中継の最後の1分間が、単なる番組の終わりではなく「神聖な儀礼の完結」として全く違った深みを持って迫ってくるはずです。

【弓取り 式 と は】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:弓取り式は本場所の毎日、何時頃に行われますか?
A1:幕内結びの一番の直後に行われるため、通常は午後5時55分頃から約2〜3分間執り行われます。取組の進行状況によっては数分前後することがあります。

Q2:弓取り力士の化粧まわしは誰のものを使っているのですか?
A2:弓取り力士自身は幕下のため個人の化粧まわしを持っていません。そのため、所属部屋の横綱や親方が所有している化粧まわし、あるいは横綱の後援会から儀式用に特別に貸与されたものを締めて土俵に上がります。

Q3:弓取り式で弓を引く所作(弦を引くポーズ)にはどんな意味があるのですか?
A3:東西南北の四方に向かって弓を引き絞る所作には、「四方の悪霊や邪気を射抜き、災いを払う」という破魔の神事的な意味が込められています。また、土俵の中央で弓を構える姿は、勝者の武勇を天下に誇示する象徴でもあります。

Q4:地方巡業でも弓取り式は見られますか?
A4:はい、春・夏・秋・冬に行われる地方巡業でも、本場所と同様にすべての取組終了後に弓取り式が披露されます。巡業では本場所よりも土俵と客席の距離が近いため、弓が空を切る「ビュン」という風切り音や足さばきの迫力を間近で体感できます。

まとめ:伝統の美学を知ることで大相撲観戦は何倍も深くなる

結びの一番の興奮を優雅に鎮め、観客を心地よい余韻とともに送り出す弓取り式。その白木の弓の一振り一振りには、平安の相撲節会から江戸の上覧相撲、そして現代に至るまで受け継がれてきた武士道精神と、勝者を称える祈りが込められています。

「手で拾ってはいけない」という足技の禁忌ルールや、幕下力士が背負う知られざる重責を知った上で見届ける弓取り式は、これまでの観戦体験を一変させるほどの説得力を持っています。大相撲中継を見る際は、結びの取組が終わってもすぐにチャンネルを変えず、土俵上に舞い降りる最後の美学をじっくりと堪能してください。 (出典: 弓取り 式 と は(Yahoo!ニュース)