2015年流行の全貌|爆買い・ラッスン熱狂の誕生理由と11年後の現在
2015年(平成27年)は、訪日外国人観光客による消費が爆発し、スマートフォンが国民生活のインフラとして完全に定着した激動の年でした。お笑い界ではリズムネタや裸芸が社会現象を巻き起こし、スポーツ界では歴史的快挙とともに「ルーティン」という言葉が日常に溶け込みました。
当時を象徴するカルチャーやガジェット、ヒット商品の数々は、一過性のブームに留まらず、その後の日本社会のライフスタイルやデジタル化の基盤を形作っています。2015年に日本中を熱狂させた流行の真相と、当時の主役たちが歩んだ現在までの道のりを徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「爆買い」と「トリプルスリー」が流行語大賞を同時受賞し、インバウンド経済とプロ野球の歴史的偉業が話題を席巻した。
- 要点2:『ラッスンゴレライ』の8.6秒バズーカーやとにかく明るい安村が大ブレイクし、初代Apple WatchやPepperなど次世代テックが実用化を迎えた。
- 要点3:「おにぎらず」やガウチョパンツなど日常の食・ファッションにも大きな変革が起こり、現代に続くカルチャーの転換点となった。
【2015年流行語大賞】「爆買い」「トリプルスリー」が年間大賞に輝いた背景と理由
2015年の世相を最も端的に表したのが、「ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に選ばれた「爆買い」と「トリプルスリー」のダブル受賞でした。
円円安の進行と免税制度の拡充、数次ビザの発給要件緩和が重なり、銀座や秋葉原の免税店には中国をはじめとする外国人観光客が押し寄せました。温水洗浄便座や高級炊飯器、化粧品、医薬品をスーツケースいっぱいに買い求める光景が連日報道され、インバウンド消費の凄まじい経済効果が全国に知れ渡る契機となりました。
一方、スポーツ界ではプロ野球・福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手と、東京ヤクルトスワローズの山田哲人選手が、打率3割・本塁打30本・盗塁30個を同一シーズンに達成する「トリプルスリー」を同時に達成。プロ野球史上65年ぶりとなる快挙にファンが熱狂しました。
さらに同年のランキングには、ラグビーW杯イングランド大会で南アフリカを破る歴史的勝利を収めた日本代表・五郎丸歩選手の「五郎丸ポーズ(ルーティン)」や、お笑い芸人・又吉直樹氏(ピース)が純文学作品『火花』で第153回芥川賞を受賞した快挙を巡る言葉もトップテン入りを果たし、文化・スポーツの枠を超えた盛り上がりを見せました。
「ラッスンゴレライ」「安心してください」の熱狂とお笑い界の現在地
2015年のお笑い界は、瞬く間に全国へ波及したリズムネタと、シンプル極まりない王道ピン芸の二極化が際立ちました。
結成わずか1年足らずで頂点に駆け上がったのが、8.6秒バズーカーの「ラッスンゴレライ」です。赤いスーツにサングラスという強烈なビジュアルと中毒性の高いリズムは、YouTubeや中高生のSNSを通じて一気に拡散。吉本興業史上最速のなんばグランド花月単独ライブ開催など、前代未聞のスピードで旋風を巻き起こしました。
急激なブレイクによる反動やネット上のバッシングを経験した8.6秒バズーカーですが、その後は単独ライブやYouTube配信、アート活動、実業など多角的に活動を展開。メディアの狂乱から距離を置き、地に足をつけたエンターテインメントを発信し続けています。
もう一人の主役が、「安心してください、穿いてますよ」のフレーズでブレイクしたとにかく明るい安村氏です。海パン一丁で全裸に見えるポーズを繰り出すネタは、子どもから大人まで瞬く間に浸透しました。
このシンプルな身体表現は後に国境を越え、英オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』で「Don't worry, I'm wearing!」と叫んで決勝進出を果たすなど、世界的な喝采を浴びるサクセスストーリーへと結実しました。
【2015年ヒット曲&アニメ】三代目JSBの覇権とおそ松さんの社会現象
音楽シーンでは、ダンスパフォーマンスとキャッチーなサビが一体化した楽曲がチャートを席巻しました。
音楽チャートの頂点に君臨したのが三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEです。前年にリリースされた『R.Y.U.S.E.I.』の「ランニングマン」ダンスは2015年もロングヒットを続け、同年リリースの『Unfair World』で日本レコード大賞を受賞。アルバム『PLANET SEVEN』はミリオンセラーを達成しました。
また、西野カナ氏が乙女心を取扱説明書になぞらえた『トリセツ』、クマムシの歌ネタから派生した『あったかいんだからぁ♪』、星野源氏のブレイクの起爆剤となった『SUN』、ゲスの極み乙女。『私以外私じゃないの』など、個性的なフレーズが際立つ楽曲がカラオケや配信チャートを賑わせました。
アニメ分野では、赤塚不二夫生誕80周年記念作品として放送された『おそ松さん』が記録的な社会現象を巻き起こしました。大人になりクズでニートに成長した6つ子たちを描いた本作は、豪華声優陣の起用とエッジの効いたパロディで女性ファンを中心に爆発的な支持を獲得。関連グッズの品切れや雑誌の重版が相次ぎ、一大経済効果を生み出しました。
初代Apple WatchとPepper登場|2015年に始まった次世代テックの胎動
デジタルテクノロジーの領域では、今や日常となった製品やロボットが産声を上げた年でした。
2015年4月、米Appleから「初代Apple Watch」が発売。スマートウォッチという新ジャンルに対し、当初はバッテリー持ちや用途への賛否両論が渦巻いたものの、通知確認やヘルスケア管理の基盤を作り、現在のウェアラブル端末市場の覇権を決定づける第一歩となりました。
ロボット分野では、ソフトバンクが世界初の感情認識パーソナルロボット「Pepper(ペッパーくん)」の一般販売を6月に開始。本体価格19万8,000円(税別)ながら、毎月用意された1,000台がわずか1分で完売するほどの話題となりました。商業施設や銀行の受付、店頭での案内役として次々と導入され、AI・ロボットが身近な存在になる未来を実感させた象徴的なプロダクトです。
「おにぎらず」にメイソンジャー|2015年の食・ファッション・トレンド
食とライフスタイルのトレンドは、SNS映え(ビジュアル重視)と実用性の融合がキーワードでした。
レシピ投稿サイトから火がつき、料理界のトレンド大賞を受賞したのが「おにぎらず」です。握らずに海苔でご飯と具材を包んで半分に切る調理法は、彩り豊かな断面(いわゆる「萌え断」)と調理の手軽さから忙しい家庭で重宝され、専用の海苔やケースが各メーカーから発売されました。
ガラス瓶に食材を詰める「メイソンジャーサラダ」や、健康・美容需要でスーパーの棚から姿を消した「ココナッツオイル」も、海外セレブ発信のライフスタイルとして若い女性層を中心に浸透しました。
ファッション界では、ゆったりとしたシルエットの「ガウチョパンツ」や、羽織るだけでこなれ感が出る「コーディガン」が大流行。飾りすぎない自然体なスタイル「ノームコア」が支持を集め、スニーカーを合わせたカジュアルダウンが通勤・街歩きの新定番として定着しました。
【2015年に流行ったもの】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2015年の流行語大賞には他にどんな言葉がノミネートされていましたか?
A1:トップテンには「爆買い」「トリプルスリー」の年間大賞のほか、「アベ政治を許さない」「安心してください、穿いてますよ」「エンブレム」「五郎丸ポーズ」「SEALDs」「ドローン」「まいにち、修造!」「火花」が選出されました。
Q2:又吉直樹氏の小説『火花』はどのくらい売れましたか?
A2:単行本の発行部数は累計280万部を突破し、芥川賞受賞作としては歴代最高の発行部数を記録しました。その後、Netflixでのドラマ化や映画化などメディアミックスも大規模に行われました。
Q3:2015年に流行した「おにぎらず」や「メイソンジャー」は現在どうなっていますか?
A3:「おにぎらず」はブームを経て定番の家庭料理・お弁当メニューとして完全に定着しました。一方、メイソンジャーは一大ブームこそ落ち着いたものの、見せる収納やカフェの定番グラスウェアとして日常的に使われています。
まとめ:2015年の熱狂が残した現代カルチャーへの影響
2015年の流行を振り返ると、訪日インバウンドの急拡大、ウェアラブル端末の普及、SNS起点のバイラルヒットなど、現在の消費行動や情報発信の土台がこの1年に凝縮されていたことが分かります。
テレビとネットが激しく相互作用しながら流行を拡大させた2015年の熱狂は、単なる懐古にとどまらず、新しいカルチャーが生まれる構造を学ぶ上でも極めて示唆に富む時代であったと言えます。 (出典: 2015 年 流行っ た もの(Yahoo!ニュース))